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そうだ Git、移行 (Reposurgeon編)

今年の春に、それまでプロジェクトで長年つかってきたSubversionをGitに移行した。比較的少人数での開発だしリモートで作業している人もいないし、分散SCMであるメリットは実はそれほどないのだけれど。やっぱり技術者として世の中の流れについて行きたいというのもあるし、リリース管理者としてリリースの度に実施するSubversionでのマージ処理が辛くて辛くて(追加/削除がディレクトリ操作になるので、ディレクトリ配下の一部だけをマージしたい時に余計なものまで一緒にマージされてしまって自動化の妨げになる)何とかしたかったのもある。

まぁ、正直なところSubversionもとても良くできた、そして何より実績が多いソフトウェアでなので、別にGitがなくても死にはしない。今Subversionでうまく回っているなら、急いで乗り換える必要は多分、ない。

だけど、これだけGithubがメジャーになって「OSSの管理といえばGit」っていう流れができあがってしまうと、個人的にはSubversionってもう、「移行するかべきか否か」ではなくて「いつ移行するか」を検討するくらいの時期には来ているとも思うわけで。十数年前にCVSとかVSSとかが主流だったSIerも、最近では大半が少なくともSubversionくらいには移行しているわけで、この先10年とかを考えると、SIerだからGitなんかいらないとかいうことはないのではないかと信じている。実際、最近書店にはデザイナーさん向けのGitの書籍が並んでいるくらい、Gitの認知度が上がっている。

そして何より、プロジェクトに新しく若者が入ってきたときに、Subversionという古の構成管理ツールの使い方を教えてあげるとかいうのは、お互い得るものが少なすぎて悲惨である。どうせ同じ時間を使うなら、その場限りのスキルなんかよりはいろいろなところで役に立つスキルを身につけることに時間を使いたい。まぁ、みんながみんなそういう気持ちではないかもしれないのだけど。

移行ツール

まぁ本音は「実は俺がGit使いたいだけ」でそこまで深い意味はなかったかもしれないけど、とにかくGitへの移行方法の話。かつてCVSからSubversionへの移行がスクリプトでサポートされていたように、Gitにも移行ツールがついている。それがGit-SVNというサブコマンドである。

Git-SVN

Git-SVNは事実上Subversionから移行する人のほとんどが一度は通る道だと思う。Git-SVNは移行ツールの一種ではあるのだけど、実際の所は「GitでSubversionのRepositoryにアクセスすることができる」というもので、GitへSubversionから取り込むという流れはもちろんのこと、逆にGit側からSubversionへ変更を送ることもできる。

Git-SVNについては↓こちらで@DQNEOさんが大変きれいにまとめられているので、詳しくはそちらを参照されたい。これは移行の時にじっくり読ませて頂いて、本当に参考になった。Git-SVNを使うかどうかを別としても、事前にSubversionのリポジトリをきれいにしておくとかサイズを小さくするとか、既存のコード資産を移行する人にとっては有益な情報が山ほど詰まっている。

仕事で使ってる巨大SVNレポジトリをGithubに移管するためにやったことまとめ

自分のプロジェクトでも最初はこれでいく想定で進めていた。でも、どうもGit-SVNの変換処理が結構遅いとか、できあがったGit Repositoryでテストしていたら、追加でコマンドをたたかないとSubversionにあったはずのブランチがみえないとか、あと(作業手順が漏れていただけなんだけど)そもそも移行されていないブランチがあったり、移行元が初期はtrunk/branches/tags構造じゃなかったのでそこが移行されずに落ちているとか、いろいろ課題とか問題が見えてきた。

それでほかにもう少しいい移行方法はないものか、と少しまじめに調べてみることにしたのだけど、その時に見つけたのが、ESRことEric S. Raymond大先生のRepository移行ツール、Reposurgeon

Git-SVNは言ってみれば双方向でGitとSubversionをつなぐツール。Subversionから一気にGit移行するのにも使えるけど、一部のメンバーだけ、あるいは一部のプロジェクトだけ、など段階的に移行することもできる。その気になれば移行以外の目的でも使える、案外汎用性の高いツール。

構成管理ツールを変更するときというのは、チームの規模が大きければ大きいほど混乱が伴うもの。だから一部のメンバーだけを段階的にGitに移行でき、しかも移行中もSubversion-Git双方向でお互いの変更が双方向に共有できるというメリットは非常に大きい。

Reposurgeon

対してReposurgeonはRepository編集を行うためのツールである。正規のツールが提供する通常のオペレーションでは絶対に実現できないような変更を履歴に対して加えることもできる。まさにRepositoryに対する外科手術。これもGit-SVNとは別の意味で、移行以外の目的で使えるツールだ。

Reposurgeonでの移行はRepositoryを一気に移行してしまう。そのため、Git-SVNのように同時並行稼働で双方向にいったりきたりすることはできず、Subversionから段階的にGitに移行する、という計画では基本的に使うことができない。ここがツール選択のポイントになるケースも多いはず。

その代わりに、より移行に適した形で、より高速に移行を済ませてくれる(と思う)。全員が一度に移行するなら個人的にはこちらのが良いのではないかと思う。ツール自体が難しく情報量もGit-SVNと比較するとかなり限られるので、自分で調べて問題を解決できる人向きではあるけど。

何れにせよ、絶対的にどちらのツールが優れているとかそういう類のものではない。リポジトリの分割方針とか利用者の数やスキルを考慮して適切なツールを選びたいところ。

Reposurgeonのメリット

  • 移行機能は基本的に一括移行
  • 追加手順なく、最初から意図した形の移行結果になりやすい
  • 通常のツールではできない、履歴に対する各種変換処理が可能

Reposurgeonのデメリット

  • Unix系プラットフォームのみサポート
  • Subversionとの相互運用不可
  • 情報が少ない、コマンドや作業フローがわかりづらい

ReposurgeonはUnix系のツールなので、Windowsでは動かない。ここは注意が必要。でも、WindowsでホストしているSubversionのリポジトリをMac OS XにもってきてGitに移行し、完成したGitリポジトリをWindowsに戻してWindowsのGitで運用する、といったことは問題なく行えるので、実際にはそれほど大きな制約ともいえない。実際、自分はOSXで移行したリポジトリをWindowsのGitで動かしてもうそろそろ1年だけど、何も問題になっていない。

Reposurgeonの導入

自分はOSXでしか試していないんだけど、きっと大抵のパッケージマネージャでサポートされていると思う。Homebrewがはいっていれば

brew install reposurgeon

これだけ。

conversion.mkによる変換

Reposurgeonのコマンドは最初は取っつきづらいと思う。そのため(かどうかは知らないけど)、SubversionからGitに移すだけ、を簡単に実現してくれるmakeファイルが配られている。

http://www.catb.org/~esr/reposurgeon/conversion.mk

makeファイルをダウンロードしたらエディタで開いて以下の2行を変更する。PROJECTは最終的に作られるGit Repositoryの名前になるけど、まぁ多分このMakefileで作成したリポジトリをそのまま使うことはないんじゃないかと思うので、あまり気にしなくていいと思う。SVN_URLはデータを取ってくる場所になるのでちゃんと書かないとダメ。

PROJECT = code-repo
SVN_URL = http://192.168.1.100/svn/code-repo

これでmake -f conversion.mkすれば、勝手に変換が行われてcode-repo-gitというディレクトリにgitのRepositoryが完成。

ちなみにGitに移行したときにリビジョンが数字からSHA1ハッシュに変わるのだけど、Subversionのリビジョン番号に依存する他のツールと連携しているような場合、Subversion側でのリビジョン番号を記録として残すことができる。この場合makefileを少し編集する必要がある。

44: # Build the second-stage fast-import stream from the first-stage stream dump
45: $(PROJECT).fi: $(PROJECT).$(SOURCE_VCS) $(PROJECT).lift $(PROJECT).map $(EXTRAS)
46:    $(REPOSURGEON) $(VERBOSITY) "read <$(PROJECT).$(SOURCE_VCS)" "authors read <$(PROJECT).map" "prefer git" "script $(PROJECT).lift" "fossils write >$(PROJECT).fo" "write >$(PROJECT).fi"

これを、

44: # Build the second-stage fast-import stream from the first-stage stream dump
45: $(PROJECT).fi: $(PROJECT).$(SOURCE_VCS) $(PROJECT).lift $(PROJECT).map $(EXTRAS)
46:     $(REPOSURGEON) $(VERBOSITY) "read <$(PROJECT).$(SOURCE_VCS)" "authors read <$(PROJECT).map" "prefer git" "script $(PROJECT).lift" "fossils write >$(PROJECT).fo" "write --fossilize >$(PROJECT).fi"

こんな感じにする。最後のwriteコマンドに–fossilizeオプションをつけるのがポイントだ。RedmineのようなIssue管理システムとRevision番号で連携を取っているような場合は、Gitのリビジョン情報で過去の関連づけを上書きできると理想的だけど、その材料となる大事な情報となる。

インタラクティブなコマンド実行による変換

conversion.mkによる変換はなにもわからない状態でも2、3行編集するだけでさくっとSubversionからGitに変換できてしまう手軽さがポイントで、できあがったGitリポジトリを見ていると結構ちゃんとしていて感激する。

だけど、変換処理について細かいカスタマイズをしようと思うと、結局最後はmake fileの中で呼び出されているコマンドを調べることになる。Makefileを読むのって結構面倒くさいのだけど、このツールについて言えば、説明を読むよりもまずはこれを見てみるのが効果的だと思う。いきなりオフィシャルの説明を読んだところで、普通の人は動かせないと思うので。

一連の流れは次のセクションを見てもらうとして、Reposurgeonを使うには基本形を知っておく必要がある。

  1. read <[ファイル]
    Subversionのダンプや、Reposurgeonや各種Version Control System (VCS)からwriteで書き出したfast-import形式のファイルを読み込む。ここで読み込んだファイルに対して、各種コマンドを実行してリポジトリの内容を編集していく。基本的にはReposurgeonを起動して一番最初に呼ぶコマンドになるはず。
  2. write >[ファイル]
    編集した内容を、exportする。自分は編集作業後のバックアップとしてしか使っていないけど、編集したリポジトリを他のfast-importできるツールにインポートする場合はその元ネタになる。
  3. rebuild [リポジトリ]
    編集後のリポジトリを実際にVCSで使えるリポジトリとして再構築する。

基本形はこの、read→編集→rebuildもしくはwriteという流れで、readからrebuildの間には好きなだけ編集コマンドを挟めばいい。例えば正規表現にマッチするファイルを含むリビジョンを探して、該当ファイルだけ削除してしまうとか、不要なタグを消し去る(削除コミットができるのではなく、履歴のどこにも登場しなくなる)とか。

コマンド実行する場合には、Reposurgeonを起動してreposurgeon>プロンプトにする。SubversionからGitに移行するには、以下のような流れでコマンドをたたいていけばよい。

  1. readコマンドを使って、Subversionのdumpファイル(code-repo.dmp)からリポジトリ情報を読み込む。dumpというのはもちろんsvnadmin dumpで作成したもの。ちなみにdumpと一言でいってもSubversionのダンプにはバージョンがあり、バージョンが高すぎるとreposurgeonが読み込めないときがある。–deltaとか特殊なオプションをつけるとバージョン指定が厳しくなったりするので、Reposurgeonに食わせる場合はオプションをつけずに出力するのが良いと思う。
     reposurgeon> read <code-repo.dmp

    ちなみにreposurgeonのリダイレクトはシェルのリダイレクトとは異なり、記号とファイル名との間にスペースをいれると動かない。必ず<とか>とファイル名を空白で区切らずに続けて書く。

  2. author map ファイルを読み込む (subversionのuser idをgit user name + emailにマッピングするファイル、git-svnで使うのと同じものがそのまま使える)
    reposurgeon> authors read <users.map
  3. 移行先VCSをgitに指定。
    reposurgeon> prefer git
  4. Subversionリビジョンと日付/コミットした人の一覧を出力(optional)
    reposurgeon> fossils write >dev.fo
  5. Repository名のリネーム(これもoptionalかな?実はどこに効いているのかよくわかっていない)
    reposurgeon> rename code-repo2
  6. Subversionからgitに間違ってtagとして認識されてしまうゴミタグの削除
    reposurgeon> =T & /(emptycommit-.*|tipdelete-.*|.*-root$)/n delete
  7. ここまで編集した内容でgit-fast-import用のファイル(dev.fi)を書き出す
    reposurgeon> write --fossilize >code-repo.fi
  8. とりあえずここまでで準備完了。あとのRepository作成はこんな感じ。
    $ reposurgeon
    reposurgeon> read <code-repo.fi
    reposurgeon> rebuild code-repo2
  9. ここまでの手順で作業コピー付きのGitリポジトリが作成される最後にbareリポジトリ作ってpush
    $ cd code-repo2
    $ git remote add origin ../code-repo2.git
    $ git push --all origin
    $ git push --tags origin
    $ git init --bare code-repo2.git
  10.  git gcでとどめの圧縮をしておく。
    $ git gc --aggressive
    Counting objects: 104054, done.
    Delta compression using up to 4 threads.
    Compressing objects: 100% (91278/91278), done.
    Writing objects: 100% (104054/104054), done.
    Total 104054 (delta 60931), reused 32576 (delta 0)

自分が作業しているとき、あまりReposurgeonの記事見かけなかったので、今後移行する人の参考になればということで記録を残しておく。自分もそれほど深く理解できていないので説明なんか書くのもどうかと思うけど、何もないよりいいだろう、と。

 

MacBook TrackPad USB化計画

MacBookについている入力デバイス、Track Pad。昔はホイールマウスが一番だと信じて疑わず、正直各社が搭載するこのデバイスを見る度に「こんなの使えるか」って思っていた(実際、この頃のトラックパッドはコスト重視の出来の悪いのが多かったのは事実だと思う)。

MacBookについているのはこれしかないから仕方なく使っていたのが、面積の拡大やトラッキング性能の向上で徐々に使いやすくなり、マルチタッチが実現したあたりでなくてはならないものになっていた。

そんなMacBook ProについているTrack Padを、単品のUSBデバイスとして改造するという素敵な情報を公開しているbounavさんという人を見つけた。どうやら以前のMacBook Proでは、フレキシブルケーブル経由でUSBの4本の信号線がそのまま入ってきているらしく、その4本を引き出してUSBコネクタにつけちゃえばUSBデバイスとして使える、ということらしい。良くそんなこと調べたな、ほんと感心するわ…

Macbook pro trackpad conversion – http://bounav.free.fr

そんなめんどうなことしなくても、Magic Track Padがあるけど?

そう、外付けしたいだけなら同じくApple純正のMagic Track Padがある。面積も一番広いし、Bluetoothでケーブルレスなのでデスクがスッキリ。MacBook Proの操作環境をデスクトップPCでシミュレートしようとすると、このMagic TrackPadしかないというのが現状。

もちろんこれはこれで悪くないのだけど、キーボードの右端に置くというスタンダードなレイアウトだとちょっとホームポジションからの距離が遠い。ホームポジションから離れたくないとまでは言わないんだけど、MacBook Proの親指を伸ばせば操作できる形の方が理想に近い。

それでMagic Track Padをキーボードの下に並べてMacBookみたいなことをしようとすると、縦方向に大きすぎるのと、電池ボックスのせいで距離が遠すぎて使いづらいことに気づく。また、Bluetooth接続なのでKVM切替器を通す切替ができず、ペアリングも1台分しか覚えてくれないので基本的にコンピューターの数だけTrackPadを用意しなければならなくなる。そんな馬鹿な。

そんなわけでMacBook ProについているTrackPadがそのまま外部USBデバイスになるなら俺もそれほしい、と思ったので、実現できるかどうかの確証もないままMacBook Pro Early 2008 (A1260)のTop Case中古品を取り寄せた。新品のがいいけど、新品は$240くらいする。たかがTrack Padに2.5万円というのはあまりにもばかばかしいし、何より改造に失敗したときの精神的ダメージが大きすぎるので、まずは中古をPowerbook Medicから取り寄せた。動作確認済みの在庫が1つ$36ほど。

Powerbook Medicの中古品は、美品とはいえないけどまぁ自分できれいに掃除すれば気にならないレベル。ところどころ髪の毛がついていたりお菓子のクズみたいなのが見えたりはするけど、まぁ海外の中古品なんてこれが普通だろう。神経質な方はご遠慮ください。

Top Case Trackpad Assembly for MacBook Pro

MacBook Pro 2008年モデル

ちなみに数あるMacBook Proの中から、あえてbounavさんが改造しているのとは異なるこの2008年モデルを選択したのにはもちろん理由がある。それはマルチタッチに対応した機種だということ。今時マルチタッチ対応しないTrack Padなんてほとんど意味がない。bounavさんが公開しているのはマルチタッチ対応する前のモデルで、基板上のパーツの配置が結構違っているので少し調査が必要にはなるが、基本形は同じである。

ちなみにここでいう「基本形」というのは、USB ControllerがTrackPad側の基板にのっている、ということ。最近のMacBook ProではTrackPoint側にはUSBコントローラーが載っておらず、Logic Board側に移動してしまっているようで、Track Padの外だし改造をするにはLogic Board側も必要になるらしく同じような改造は簡単にはできないらしい。

写真左に見えるCY8C24794がCypressのUSB Controller。CY8C24794のデータシートを見ると、以下のような割り当てになっている。

  • Pin19 : Vss
  • Pin20 : D+
  • Pin21 : D-
  • Pin22 : Vdd

パターンをたどると使えるテストポイントがわかる。
usb_board1

bounavさんのまねをしてボード上のテストポイントに半田付けするなら、5V0/DP/DNのところと適当なGND(例えば下の写真のコネクタ右に見える金色の点)につなげばいい。でもねー、これ、写真だと簡単にできそうに見えるんだけど、超マクロ撮影でようやくこんな感じなので、実際には間隔が1mmあいていないパーツもザラ。割と人間業ではない。老眼でもないのに、作業用にルーペ買ってきてしまったくらい。極細のこて先も持っているけど、もうそういうレベルの問題じゃないというか。

なので、これはコネクタ側の方までたどってピンアサインをしらべて、フレキシブルケーブル側に半田付けする方が楽だし、失敗しても基板が死ぬこともなく安全という結論に達した。コネクタの並び順はCY8C24794からGND以外については基板上のパターンで追える。GNDはテスターで確認。本体につながる8ピンコネクタの左から4本がUSBで、GND/Data-/Data+/5Vという割り当てになっているようだ。

usb_connector

ちなみにこれがフレキ。ケーブルはUSB標準に合わせて黒(GND)、白(Data-)、緑(Data+)、赤(5V)を用意。電源系の黒赤は0.5mm、信号線の白緑は0.26mmのジュフロン線を使った(下の写真は全部0.5mmだけど)。

ribon_connector4

フレキの方が作業が楽、とはいっても、パターンは極細なので全部コネクタ付近に集めるのは無謀。どうしてもここから取らざるを得ないData+/Data-だけコネクタ付近に取り付ける。当たり前だけどフレキは絶縁されていて電気が通らないので、表面をパターンを切らない程度にカッターナイフで削って金属面を露出させて、そこにはんだを盛る。ここが一番難しい。

ribon_connector5

難しいとかいってもこの写真だとどうってことない半田付けにみえるかもしれない。実際には超細かくて0.5mmのシャープペン芯と比較するとこんな感じ。シャープペン太い!

ribon_connector8

電源系はパターンが太く、面積も広いのでよりどりみどり。GNDを表の後ろの方から取る。

ribon_connector6

5Vは表側から取れなくもないのだけど、面積が少なくData系と近いので裏面のここから取った。ちなみにデータ系は裏にもパターンがあるので、フレキのオレンジ色のテープを剥がしてData-もしくは+のいずれか一方を裏につけることもできる。これをやるとData系のはんだ付けが楽ちんなのだけど、Track Pad本体に取り付ける際にTrack Pad本体と触れてしまうのでやめた方がいい。ribon_connector7

引っ張ったケーブルは直接USB Aコネクタとかにつなげてしまうとケーブルの長さが固定になってしまいユースケースが限られてしまうので、USB Micro Bのメスコネクターにつなげて配線はUSBケーブルを使うことに。Micro Bのコネクタは表面実装とかこれまた作業が辛いのが多いので、素人も安心な変換基板付きを秋月電子で買ってきた。もっとも、上記のフレキはんだ付けしたあとでは、表面実装くらい全然問題なくできるんじゃないかって気もしてきたけど…usb-micro-b

今回の工作の全貌。Track Pad本体には全く手を入れていない。

ribon_connector9

完成図。ケースとかがないのでちょっと頼りない見た目だけど、とりあえず動作確認OK。TrackPad

実用化に向けてはケースをどうにか自作しなければならない。金属木材プラ、どれも加工経験がなく厳しいところだけど、とりあえずプラか木材かな。ハンズいって簡単に加工できそうなものがないか見てくるとしよう。

Posted in Mac

EWI3030mのバッテリー交換&ホルダー化

 

EWI3030mのバッテリーホルダー化。別にたいした作業じゃなかったのだけど、Webで検索してもあまりみあたらなかったので、記録として残しておこうかと。

シンセとバッテリー

80年代、90年代のシンセはエディットした音色を取っておくためのメモリがFlashとかではないため、SRAMを維持しておくためにCR2032とかのコイン電池をのせていることが多い。これが10年も20年も立つとさすがに切れているわけで、SRAMのデータを維持できなくなると例の「おきのどくですがぼうけんのしょの1ばんはきえてしました」みたいなことになる。

電池が切れると変更した内容が保持されなくなるのは当然のこととして、メモリーされていた内容もおかしくなるので、時には音が鳴らないなど深刻な誤動作をするようになる場合もある(リセットすれば直るけど)。中古でシンセを入手したりしたときに、ピロピロと変な音しか出ない、とかも案外電池切れが原因だったりするので結構重要。

直付け時代

詳しい理由は知らないのだけど、この頃の機材では電池が基板に直付けされているケースが割と多い。ドライバーで開けてコンビニで買ってきた電池を入れ替える、では済まず、残念ながら半田付けし直さないといけない。

そんなわけで、電池交換するときはこんな感じの電池ホルダーを買ってきて、次からは蓋を開けて電池を入れ替えるだけで良いようにしておくのが一般的。

ホルダー取り付け作業

開けるとこんな感じでフロントのコントローラー関連と液晶、メインと電源という感じ。本気で作れば半分くらいのサイズのケースで作れそうなものだ。ウィンドシンセなんてたいした数は出ないだろうから、多分サンプラーのSシリーズと箱を共用にしていたのだろうけど…ewi3030m-01

ちなみに配線はかなりギリギリで、基板をひっくり返すには6箇所のネジを外した上で、上の写真でいうと手前の方のコネクタを全部抜く感じになる。配線はこんなにピーンと張らなくてもいいと思うんだけどなぁ…

コネクタやネジって調子に乗ってがんがん抜いていくとあとで戻せなくなったりするけど(俺だけ?)、間違って違う場所にさせそうなのは3ピンの青と赤のコネクタくらい。これらはソケットにもコネクタにも色がついているから余程のことがない限り間違えることはない。分解初心者フレンドリーだ。

電池は真ん中あたりにある、黄色く丸いこれ。EWI3030m ROMの真上についている。システムROMをICソケット化しているのに、電池は直付けというよくわからない実装。当時としてはROM交換の方が頻度が高いと読んでいたのかな。
ewi3030m-02

電池ホルダーが入らない

以前マルツで5個くらいまとめてかっておいた電池ホルダー。なんと、ROM手前のセラミックコンデンサーにぶつかってしまって取り付けられない(写真ではうまくささっているように見えているけど、実は右側の足がささってない)。さすがにこれは予期していなかった。ewi3030m-03 C5というのが実際にぶつかっていたコンデンサー。片方の足が電池ボックスの真下にきてしまうので、仕方なく一度コンデンサーを引っこ抜いて先に電池ホルダーを取り付けた。ewi3030m-05取り外したコンデンサ。

ewi3030m-04

 

残っている足もあまり長くはないけど、めいっぱい伸ばして、基板に気持ち斜め向きで差すようにして再度はんだ付け。めんどくせー。でもまぁ、これくらいなら多分言われないと誰も気づかないだろう。

ewi3030m-06

ちなみにこの配置、実は電池が出て行く方向を3方からコンデンサに囲まれているので、電池ホルダー化したにも関わらず相変わらずバッテリー交換が面倒くさい。バッテリー外すときにコンデンサ破壊したりとかしたら笑えない。

オールクリア

最後にメモリクリアする。EWI3030mの場合SOUND LEVELとLABELボタンを両方押しながら電源ONすると、メモリオールクリアになるらしい。プリセットからMIDI設定からなにからすべてが出荷時の状態に初期化される。部品の実装作業が終わっちゃうと満足しちゃうんだけど、ここ結構重要。

 

 

ewi3030m-07

CODE Keyboard (Cherry MX Clear Switch)

昨年夏に少し話題に上った、CODE Keyboard。なかなか良さそうだと思ったのだけど夏の出荷分はあっという間に売れてなくなりオーダーを入れることができなかった。それで次回ロット分出荷待ちのメール通知を登録していたのだけど、先日ようやくモノが届いた。

code08

CODE Keyboardは現時点ではキースイッチの異なる2種類存在する。Cherry MX Clearと、Cherry MX Greenだ。昨年出荷されたオリジナルはCherry MX Clear Switchを採用していたが、今年に入ってからはClear Switchの入手困難からか、Cherry MX Green Switchに差し替えたバージョンも出荷されている。

ただMX GreenはCherry MXの中でも比較的重いスイッチらしいので、Real Forceほどではないけど軽快なタッチを求める自分は、あえてClearスイッチが出てくるのを待つことにした。どうせ買うなら、自分の使い慣れたALPSオレンジ/ピンクと感触が似ている方がいい。

でも、どうやらClearって本当に入手困難なスイッチらしく、半年も待つことになった。ちなみにGreenモデルは今でもフツーにオーダーできる。

値段はUSPSで配送料$50くらいとられて本体と併せて約$200くらい。海外からキーボードを買うといつも結構いい額になってしまうのは、1/4位が送料だから、っていうところがいつも残念。

とりあえずパッケージ

パッケージは白色に薄いグレイで文字の入ったシンプルなもの。

code01

この箱はMatiasのmini tactile proと同じくらいの小さなものなのだけど、配送はこれよりも一回り、いや二回りくらい大きいダンボールに入ってくるので、最初に荷物を受け取ったときにはどれだけ巨大なキーボードなのかと不安になってしまった。開けてみればなんのことない、日本でおなじみの過剰包装で、衝撃吸収剤が大量に入っているだけだった。そんなことしなくていいから送料安くしてほしいなぁとか思うわけだけど、日本人は箱つぶれとかにうるさいから気をつけろ、とかいう感じなんだろうか。

この商品が量販店の店頭なんかに置いてあるとしたら、このデザインは地味過ぎて目立たないだろうけど、通販しかしないならこういうデザインも効果的。関係ないけど一時期のMicrosoftがiPodのパッケージをリデザインしたら、みたいな話を思い出した。code02

外観など

確かめたわけではないけど、本体は見た感じFILCOのMajestouchとそっくり。どうも同じOEMものっぽい感じだ。ちょっと検索したところ、CODE KeyboardのベースになっているWASD KeyboardはCOSTARのOEMだというだけど、なるほど、確かに見た目まさにこれだ。

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で、右下にFILCOとかプレートつけたら、多分Majestouchにしか見えない。なんかそこらで購入できるキーボードと大して変わらないって考えちゃうとガッカリだから、これ以上は考えないことにする。

これはテンキーレスモデルだけど、ほかにテンキー付きのフルキーボードもある。値段は$5.00しか変わらないので、純粋にレイアウト的にテンキーがほしいかどうかで決めればよい。

横から。最近のキーボードに多いかなりフラットな並び。個人的には、大昔のキーボードに慣れちゃっているので、もうちょっと大きくカーブを描いている方が好み。code04

キーボードのケーブルはUSB Micro B。ケーブルの取り回しは後方3カ所、左右1カ所ずつの計5カ所から選べるようになっている。

code06

足を立てたときと畳んだときそれぞれのためにフロント側のゴム足がついているのはおもしろい。でもいつも疑問に思うのだけど、こんなフラットなキーボードを足を立てないで使う人っているのだろうか?

キートップ

こうして近づいてみると…残念ながら特に高級感あふれるキーボード、とかいう感じではない、割とフツーのキーボードだった。期待のしすぎは禁物である。

code07キートップはABSで、白色の光を通すものにつや消し黒色塗装がしてあるみたい。文字をキートップに印刷しているわけではないので、長年使っても文字がかすれてくるといったことがないのは一つのメリット。でも使っているうちに表面がツヤツヤになってくるのは避けられなさそう。交換用キートップを販売してほしい。Cherry MXなのでサードパーティー(?)の様々な交換用キートップが使えるというのはあるだろうけど、バックライト透過タイプはあまりほかに例がないので。

OSキーには刻印がなく、Mac用でもWindows用でもない中立的な印象だけど、なんか味気ない。OSキーはDIPスイッチで無効化することもできるので、Windowsキー氏ねとか思っている人は無効化することも可能。ちなみにWindowsとMacではOSキー位置がALTと逆の位置にあるわけだけど、これもDIPスイッチで逆転できる。そのためかどうか知らないけど、キートップを外すための工具も付属している。そういえば、職場でその作業をするためキートップを外していた時に、「あ…壊している…」って言われた。いや、全然壊してませんから…

上から眺めていたら、あちこちのキーにバリが残っているのに気づいた。しかもかなりでかいw。これじゃヘタクソな人がつくったプラモデルみたいだぜ…

code09

Cherry MX Clear Switch

MX Clear Switchは想像していたよりもバネの力が少し強いけど、まぁ許容範囲。ALPSオレンジ軸同様に押し下げ始めたところに軽いタクタイル感がある。リニアタイプが好きな人には向かない感じの感触。

メカニカルキースイッチなので、実際カチャカチャいう音がどの程度なのかと心配していたけど、幸いこれはほとんど気にならないレベルだった。職場なんかに持ち込んでも誰もメカニカルスイッチのキーボードだとは思わないのではなかろうか。むしろ、静かすぎてリターンキーやシフトキーについているスタビライザー(金具)のシャカシャカ言う音の方が気になるレベル。WASD Keyboardでは静音化するためのゴムリングなんかも扱っているけど、特にそういうアイテムを取り付ける必要性は感じなかった。まぁ、あくまでも普段からメカニカルキースイッチのキーボードしか使っていない人の意見ですが。

LEDバックライト

MX Clear Switch以外でほかのWASDキーボードと劇的に異なる点、それは白色LEDのバックライト。キートップは文字が透過するようになっている。明るさはFn+F11で7段階、Fn+F12でOFFと8段階から選択できる。
code05バックライトはMX Clearのスイッチが光るわけではなく、スイッチの上にLEDが配置されているだけ。キートップが小さめで隙間がきっちり埋まっていないこともあり、キーの文字よりも隙間がより強力に光っている。デザイン上狙っているのかこうなっちゃっただけなのかよくわからないけど、ちょっと格好悪い気がする。ベースの鉄板が白色というのも良くないような。

Fnキー

最近のキーボードではよく見かけるFnキー。少ないキーでより多くの機能を提供するために使われることが多い。CODE Keyboardにもついているけど、これは右下にあるApplicationキーと排他での利用となる。Dipスイッチで切り替えるとApplicationキーがFnキーとして動作するようになる。バックライトの調整やマルチメディアキー(再生、一時停止、停止、戻し、早送り、ボリューム+ミュート)が使える。その代わりにApplicationキーは使えなくなるので、Windowsで使う場合は悩ましい選択かもしれない。

このFnキーは名前こそ同じだけど、MacBookとかにあるキーボードのFnとは違う動作なので、Fキーの挙動を変える目的(F1-15キーと、LCDの明るさ調整をしたりMission Controlを呼んだりする機能の入れ替え)では使用できない。あくまでもバックライトとマルチメディアキー専用。この辺はMac、Windows用それぞれある程度特化して作っているMatiasなんかだとちゃんとカバーされているので、なんでもかんでも汎用化するのがいいとは限らないものだと実感したりする。

KVM切替器で使えない…

機能的なところで一番残念だったのが、KVM切替器を入れている職場では使えなかったということ(もともとデスクスペースの狭い職場用に買ったのに…)。KVM切替器はConnect ProのDDMを搭載しているUD-12+を使っているのだけど、ホストPCからバスパワーでつかっていてACアダプタを使っていないので、おそらく供給電力が足りないのだと思う。切替器につなぐとバックライトが点滅を繰り返すだけで、切替器にも認識されない。

こういうときはデバイスをセルフパワードなUSBハブにつけると動いたりするモノだけど、切替器にキーボードとして認識してもらわないとホットキーでの切替ができないから、これもなし。切替器にACアダプタをつなげば使える可能性もあるけど、すでにコンセントも埋まっているし、自宅でつかえばいいか、と考え直して結局CODE Keyboardは自宅のiMacとつなげて使うことにした。

全体としては

なかなかいいんじゃないかと思う。Cherry MXの耐久性とかが気になるところではあるけど、壊れないようならもう一台くらい予備で買っといてもいいかな。Matiasのキースイッチは使い始めて数ヶ月でチャタるようになってきたので、ALPSスイッチを移植する以外ではもはや使う気がしないのだけど、CODE Keyboardはそういうことがないことを期待したい。

Matias mini tactile pro meats ALPS orange switch – Season 1

Matias Keyboard

Matiasはカナダでメカニカルスイッチのキーボードを販売しているブランド。どちらかというとMac界隈で知られたブランドで、日本ではややマイナーだけど、ダイヤテックが販売を代行しているので、国内でも全部ではないけど一応入手できる。もちろん、Matiasのオンラインショップで発注すれば、日本にも送ってくれる。

Matiasの最近のキーボードは、基本的にMatias tactile proの流れを汲むもの。ALPSのキースイッチに魅了されたCEOのEdgar Matias氏が、ALPSのキースイッチ生産終了の知らせを受け、最後に製造されたALPSスイッチをごっそり買い占め、Apple Extended Keyboard IIのようなフィーリングのUSBキーボードを作ったというのが初代tactile pro。デザイン的には、Appleの昔のPro Keyboardを模している。自分は持っていないけど、Webの記事なんかをを見ている感じでは結構評判も良かったようだ。

しかしその後はALPSスイッチが入手できなくなったこともあり、別の「似た」スイッチに切り替えてメカニカルスイッチのキーボードを作り続けている。だから現在ラインナップされているtactile proは名前や見た目こそ似ているけど、残念ながら初代tactileとは別物。

mini tactile pro

そんなMatiasから、テンキーを省いたmini tactile proが登場したのが昨年の初め。Mac向けキーボードも「小型」だけに絞ればApple Wireless Keyboard (アルミ)とかLogitecとかHHKとかそれなりにいろいろ選択肢があるけど、メカニカルキーボードとなると案外なかったりする。見た目的には自分のほしいサイズのキーボードだったし、ちょうどALPS以降のスイッチがどの程度のものなのかにも興味があったので、あまり期待はせず昨年試しに買ってみた

使ってみると感触はALPSスイッチとは全然違ったけど、デザインとかキー配列は現代的でなかなか良く、全体としてのバランスはそんなに悪くなかった。右端の方のキーレイアウトは好きではないけど、よく使うキーをうまく狭いスペースに配置しているし、全く入力できないよりはいい。Fnキーを組み合わせればAppleのキーボードで使えるボリュームや明るさの調整なんかもできるし。

でも、キータッチに関しては、ちょうどCherry青軸のようなしっかりした重めのタッチで、音もカチャカチャと安っぽい音がするのが次第に気になるようになってきた。致命的とかではなかったのだけど、結局使い慣れたAppleのM0116、通称Keyboard Iに戻ってしまった。

Back to Apple Keyboard I

Apple Keyboard IはALPSピンク軸採用で、Appleのメカニカルキーボードの中でもタッチは最高と言わるモデル。メカニカルスイッチ特有のカチカチではなく、どちらかというとスコスコという感触。変に力をかけなくても自然にキーを押し下げることができ、吸い込まれるようにスッと沈む。

しかしキーの配列がかなり変態向けで、F1-F15やDelもないのでVMwareやRemote DesktopでWindowsを使うには少々不便。~とか¥の位置もスペースキーの隣とかだし(これはこれで慣れると案外使いやすいのだけど)。それにUSBで使うにはiMateのように、今は既に製造終了しているUSB変換アダプタが必要になる。今風に使うにはいろいろ不便の出る品であるのは間違いなく、キーの感触をとるか利便性をとるか、あちらを立てればこちらが立たず。

Matias meats ALPS

そんなわけでmini tactile pro、デザインはなかなかいいんだけどキースイッチはやっぱイマイチだなー、本物のALPSだったら良かったのにー、とかかねてより思っていたわけだけど、Webを見ていたら、偽ALPSスイッチをALPSの本物で差し替えるという乙な改造をされている方を見かけた。

それをみて思い出したんだけど、mini tactile proのスイッチ、見た目ALPSにそっくりなのだ。ほら。

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こちらが拡大写真。
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こちらがALPSオレンジ軸。全く同じ顔をしている。裏の足も同じ間隔で生えているし、プラスチックのケースも同一形状。差し替えられる、確信した。
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ちなみにこのオレンジ軸はApple Extended Keyboard I (初代)のもの。一つだけ色が白いのは、プッシュ式のCAPSロックだから。ALPSスイッチの中にはLED付きのものもあるけど、Appleの場合キーボード本体に専用のLEDスペースがあるので省略されているものと思われる。

Extended KeyboardのLEDはこれ。右上に3つ緑LEDが並んでいる。この頃のAppleの拡張キーボードは、F1-F15キーの列が軸を縦方向にしているところも興味深い(困ったことにそのせいで、移植先でキートップが流用できないんだけど)。
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まぁそんなわけで、思いついたときに手元に材料がそろっていたので、Matias mini tactile proキーボードのALPS化作戦が始まったわけであります。ちなみにApple Extended Keyboard Iってものすごく希少品で、本来ぶっ壊すとか論外なんだけど、こいつはヤフオクで3000円くらいで手に入れた、かなり変色したものだったので、まぁいいかなぁと。一応、保存用にはもう少しきれいなのが、ちゃんと1台とってある。

いざ、移植

実際の移植作業は、半田吸い取ってパーツ剥がしてつけ直すだけ…なんだけど、最初はMatiasキーボード初分解でどういう構造なのかさっぱりわからなくて、まずMatias側で軸を全部抜いてしまった。しかしこれをやる必要は全くないので、良い子は真似しないこと。
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しかも、これをやるとスイッチの端子部分(写真で各スイッチの奥に見える銀色いパーツ)が曲がってしまって、使えなくなることが多い。ALPSスイッチの場合ここは絶縁板と板バネの合体したパーツなので、余程バカやらないかぎりは壊れない。Matiasのはただの薄い金属板なので抜き方を間違えると即アウトである。

あと、半田づけし直さなくても軸の入れ替えってできるんじゃないかと最初は思っていたのだけど、これはできなかった。表向きは同じ形をしているけど、先の接点の話のように中身はだいぶコストダウンされちゃっていて、別物。同じなのは外観の形状だけだ。当然ながら、ALPSスイッチ同士なら、中のパーツを差し替えれば半田を剥がさなくても軸の交換が可能である。そんなわけなので、次やるときはこんな無駄な作業しないで、いきなり半田吸い取ることにする。

徹底分解後のMatias mini tactile pro。写真撮るタイミングが遅れて、すでにALPSスイッチが2つ載っているけど、細かいことは気にしてはいけない。
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基板はスイッチを取り付けるベースの1枚に、アップストリームUSBポートを追加するドーターと、ダウンストリームUSB2ポートの基板という構成。どうやらこのドーターボードを差し替えることで、laptop proとかmini quiet pro化することができるようだ。laptop proに無意味なUSBポートがついていることも、これで納得がいく。

試しに一つだけのせたALPSスイッチ。何の改造もなく、素直に乗ってくれた。この状態でUSB接続したところ、フツーにMatiasキーボードとして認識され、キー入力できた。スバラシイ!Matias GJ!

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しかしスイッチ自体は勢いで外したものの、この空いているスロットすべてにスイッチをのせて半田付けしていくというのは結構気が遠くなるというか…フルキーボードでないとはいえ、約90個ある。

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根性で載せ替えた。載せ替えたあと一人ではしゃぎすぎて写真を撮るの忘れちゃって、キートップを半分くらいつけたところで我に返ったので、なんかやけに中途半端な写真を1枚パチリ。
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伝説のALPSオレンジ軸on Matias mini tactile pro。スイッチ単品で押しているとMatiasもALPSも大して変わらないなぁ、とか思うのだけど、実際にキートップをつけてタイプしてみると全然別物。メカニカルスイッチは奥が深い。R0012487
一度くみ上げてからテストしていたら、4つほど打てないキーがあることが発覚した。組み直す前にテストをするべきだった。いや、そもそもALPSスイッチを外した時点でスイッチが壊れていないかテストするべきだった。Apple Extended Keyboardもかれこれ20年以上前のものなので、いくら頑丈なALPSスイッチとはいえ、へたっているものもたまには混じっている。幸いExtended Keyboard側はまだ10個以上スイッチが余っていたので、別のキーをはずして差し替えることで事なきを得た。

せっかくなので壊れているスイッチを分解。いろいろなサイトで公開されているけど、上下のケースと、キーを押し戻すスプリング(中上)、タクタイル感を出すための板バネ(左下)、スイッチ(右下)、そして軸(中下)という構成。
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スイッチは金属部分が絶縁板を押すことで、2枚の金属板が触れて電気が流れるという構造。壊れたスイッチは、金属部分の折り曲げを強くすることで反応が良くなるスイッチもあれば、全く反応がないものもあり故障の原因はちょっとよくわからない。コテを長時間当てすぎて絶縁板が溶けちゃったかな…

部品を組み立てると、こんな感じ。よく考えたよなぁこんな構造。R0012494
かくして、見た目は依然と何も変わっていないけど、フィーリングだけApple Extended Keyboard IからうけついだALPSオレンジ軸を継承した、俺様的、夢のキーボードが1台組み上がった。
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これは正直、かなりいい。そろそろCODEキーボードのCherry MX Clear版がオーダーできるようになるらしいと聞いているので買おうか迷っていたけど、どっちかというとmini tactile proとALPSスイッチをもう1ペア確保してもう一個作った方がいい気がしてきた。

ゆうパック種類番号 75:上記以外

 

これが来ると再配達を依頼するわけだけど、いつも思うことがある。この紙を書いて投函して、受け取ったひとはそれを読んで再配達を依頼して、っていう全体のプロセスをちゃんとテストしてるのかなーって。

2014-01-08-00.36.23

 

再配達を申し込もうと日本郵便のページにいって入力画面見ると、こうなっている。

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まずなんというか、「上記以外」が多すぎる。自分の郵便物が上記以外だったとき、どの「上記以外」が選択されても文句はいえないよね、これ。それできっとさっきの75って番号がヒントになるのではないかと探すわけです、先の種類番号。

でも、どこにも出てこない。75番、どこなのー。見当たらないんですけどー。

 

見るのではない。ソースを感じるのだ

 

誰かがそんなことを言ったかどうかは定かではないが、右クリックしてInspect ElementとかDeveloper Toolとか呼び出してソースを参照すると、ようやく<input type radio … value = “75”>を発見。そこに書いてあったか、むぅ、奥が深い(…というか回りくどいというか…)

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ゆうパックとかの不在連絡票を受け取ったら、ソースを感じてください。きっと正しい種類番号を見つけることができるでしょう。

 

BFD3 Multiple Output Assignment in Digital Performer 8

BFDFXpansionの開発している、ドラムに特化したソフトシンセの定番。ハードウェアシンセのおまけ的についているリズム音で我慢してきた(?)DTMの世界に、リアルなドラムがもたらされたのはこの音源がきっかけではなかっただろうか。初めて聞いたときは、音のあまりのリアルさに驚いたものだ。最近はOcean Way Drumsとかの競合も出てきているけど、使いやすさと音の良さのバランスでいくとBFDも負けていないと思う。

そのBFD、普通にDAWにロードするとステレオのソフトシンセとして設定されるのだけど、内部ではドラムやアンビマイクを個別のAuxトラックに流すこともできるようになっている。何がうれしいかというと、デフォルトではすべてのドラム・アンビの音が1ステレオトラックで出てきてしまうところを、DAWのAuxに出力することでキックとかスネアとかアンビを個別のオーディオトラックとしてDAW上に配置できる。たとえばスネアにお気に入りのAUプラグインをかけるとか、DAWでオートメーションを書くとか、そういった編集作業の効率が飛躍的に高まる。

もちろんBFD自体にもミキサーはついているし、割と本格的なエフェクターもついているのでそのまま使っても問題はないのだけど、AUやVSTでいいコンプやEQなんかを持っているとそっちをかけたくなるものだし、細かい音作りをし出すと内蔵ミキサーは物足りない。

そんなわけで、自分はBFDをあげたらまず最初にBFDのマルチアウト設定をする訳なんだけど、これ、DAW側の設定なので手順がDAWごとに違ってくるし、BFD側の説明書にもあまり詳細な説明がないということで設定方法がわかりづらく、初心者が必ず一度は陥るトラップだと思う。というか自分が何度も同じことをGoogle検索しているので、ここらでちゃんと手順まとめておこう、と。

そんなわけでDigital Performer 8とBFD3を使っているあなたのため(いや、次回また手順を忘れて困るであろう未来の自分のため)の、BFD設定手順。

  1. Digital Performer (DP)を起動して新規プロジェクトを作成。Instrument Trackの追加でBFD3 (Stereo)を選ぶ。DP8-BFD-01_Add_BFD
  2. BFDのトラックが作成されて、マスターのオーディオ出力に接続される。この状態でもプリセットをロードすればすぐにステレオ出力のドラム音源として使える。BFD側のミキサーでいうMasterがここにつながっている。DP8-BFD-02_BFD_Added
  3. 個別のドラムをトラックとして取り出すためには、ほしいトラックの数だけAux Trackを追加する。ProjectメニューからAdd Track – Aux Trackでいけるけど、たくさん作るのでCommand + Ctrl + Aのが楽。DP8-BFD-03_BFD_Add_Aux
  4. 追加されたAuxのInputをクリックして、インプットとしてBFDからの出力を割り当てる。BFD3で自動割り当て(後述)するとMasterのほかにStereoのトラックが1つ(以上)割り当てられるので、それを拾うためにNew Stereo Bundleを選び、BFD3の3-4を選ぶ。なんでBFD3 1-2がないのかというと、最初に作られたBFDのInstrument Trackが割り当てられているのが1-2だから。DP8-BFD-04_Aux_Assign_Input
  5. こんな感じになる。ステレオマイクなのはMasterと今作成した3-4の2つだけで基本、事足りるので、あとはモノラルトラックの追加になる。DP8-BFD-05_Aux_Assigned
  6. で、手順的にはこれの繰り返しなんだけど、こんな面倒くさいのを20回も繰り返せないので、続きはBundleウィンドウで作っちゃう。DP8-BFD-06_Bundle_Menu
  7. Bundle画面にいってInstrumentsタブ(?)を選択している状態でAdd Multipleボタンを押す。ダイアログが出るので16 monoトラックを追加する。DP8-BFD-07_Add_Multi
  8. できた。うーん、これは楽ちん。でもデフォルトのポート割り当てが実は間違っていて、このまま音を出すとAmbiマイクしか鳴らなくてとても悲しい感じになってしまう。DP8-BFD-08_Added_Multi
  9. 正しくは以下の図の通り。何でこうなるかというと、BFD3には全部で48の出力があり、1-16までがステレオ8系統、17-48がモノラル16系統になっているから。前半はともかく後半が非常にわかりづらいんだけど、17以降もあたかもステレオのように並んでいて実際にはL側のトラックだけを使うことでモノラルになっている、と思っておけば良い、というのが俺様的解釈。DP8-BFD-09_Correct_Assign
  10. ちなみにBundleを追加しただけではAuxトラックは作られないので、Command + Ctrl + Aで16トラック追加。配置が終わるとこんな状態でまだインプットが割り当たっていない。DP8-BFD-10_Add_Multi_Aux
  11. Inputを1個ずつ選択していく。でもすでにBundleができあがっているので、New Mono Bundleのサブメニューをたどらなくても、上から順に選んでいくだけで良くなっているのがポイント。DP8-BFD-11_Assign_Input_Again
  12. とりあえずこれでDAW側の準備は完了。この時点でドラムを鳴らしてみると、最初に追加したInstrument TrackのInput Monitorだけが反応しているのがわかると思う。これはまだBFD側がステレオ出力の設定になっているためで、BFD側でDPのAuxトラックに流し込む設定をすると、個別トラックから音が出るようになる。DP8-BFD-12_All_Aux_Assigned
  13. BFD3からはこの出力の割り当てが非常に楽になった。ミキサー画面のところで右クリック、Auto-assign Outputs (Direct)を選ぶ、これだけ。Directはすべてのドラムを個別のAuxトラックに順番に割り当ててくれる設定。Mixdownだとスネアとキックだけ別トラックで残りはMasterという設定になるみたいだけど、シンバルとタムが一緒とか個人的には使いづらくて意味不明な設定なので、Directだけあればいいかなって感じ。DP8-BFD-13_BFD3_Auto_Assign
  14. 設定が完了するとこうなる。一番下の出力先がKick / Snare / Masterとかだったのから、Mono1 / Mono2 / Mono3…と変わっている。ちなみにスネアとかキックのAuxが残ったままになっているけど、使わないので放っておいてかまわない。それから、出力先の設定はこのトラック名のところをクリックすることで、個別に設定することもできる(というか、これが本来の手順で、簡略化したのがAuto-assign Outputsですね)ので、特に個別トラックとして処理する必要がないドラムやマイクはMasterへ戻すこともできる。DP8-BFD-15_BFD3_Auto_Assign_Complete
  15. ここまで設定してドラムを鳴らすと、先ほどと異なり追加したAuxトラックのInput Monitorにも反応があるのがわかる。とりあえずこれで一通りの設定は終わりで、あとは各トラックにお気に入りのAUプラグインをさすなり、DAWでオートメーションを書くなりすれば良い。DP8-BFD-16_Ambi_Response
  16. …なのだけど、どうもトラックを見たときにBFD3-1 3-4とかっていうInputの名前が具体的にBFD側の何に対応しているのかがわかりづらく、ちょっと不便だ。そこでBundleウィンドウに戻って、Optionクリックで各Auxの名称を変更する。DP8-BFD-17_Change_Aux_Name
  17. BFD側の出力先名称と併せてBFD-Stereo-02とかBFD-Mono-01とかしておくのがわかりやすいと思う。DP8-BFD-18_Change_Aux_Name_Complete
  18. で、いざトラック一覧に戻るとどれが何ドラムなのかがわかりづらいので、これはTrack名称の方に書くことにする。これもOption+クリックね。DP8-BFD-19_Change_Track_Name
  19. うむ、だいぶ良くなった。最初からこれくらいになっているとうれしいんだけどなぁ。DP8-BFD-20_Change_Track_Name_Complete
  20. あとは好みだけど、BFDがMasterに直結だとBFD全体のボリュームコントロールするときに不便なので、BFDをまとめるためのStereo Aux (bus 1-2)を1個追加、出力先はMasterでInputをbus1-2にして…DP8-BFD-21_Add_Master_Aux
  21. bus 1-2とそのトラック名をBFD Masterとかにして、すべてのトラックの出力先をMasterトラックからBFD Master(今つくってリネームしたbus 1-2)に割り当てれば完成。BFD全体の調整をしたいときはBFD Masterトラックを、個別のドラムを調整したいときは各Auxトラックを調整すればいい。DP8-BFD-22_Complete

これだけのことを毎回やると疲れちゃうので、テンプレートにしておくと完璧ですな。